逆境を覆す逆転勝訴:登録 10 年超の悪意的冒認出願商標を取消

CHANG TSI
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ごがつ13
2026

メイン商標が同業競業者に悪意冒認出願され、しかも当該商標の登録期間が 10 年を超える事案において、異議申立て・無効審判・行政訴訟一審・二審と複数の手続きを経て、権利救済のハードルは極めて高いです。このたび、铸成法律事務所の付同傑弁護士チームは、国外企業(以下「権利者」という)が国家知的財産局及び国内第三者企業(以下「冒認出願者」という)を相手に提起した商標権無効審判行政訴訟において代理人を務め、異議申立て・無効審判・行政訴訟一審・二審の全プロセスを経た末、悪意的冒認出願商標の取消を勝ち取り、権利者の中国市場における正常な事業活動の障害を払拭しました。

案件概要

権利者は締結部品の製造・販売を長年営む外国企業であり、メイン商号及び商標標識は業界において一定の知名度を有しています。係争商標の出願日(2009 年)よりも早い時期から、権利者は中国で製品調達を開始し、その後製造工場を設立し、関連製品において自社のメイン標識を継続的に使用してきました。しかし、早期に中国において当該区分の商標登録を適時行わなかったことで、いわゆる「権利空白期間」が生じました。

冒認出願者はこの隙を利用し、2009 年に権利者のメイン標識と完全に同一の商標を出願・登録しました。その後も冒認出願者は権利侵害行為を停止せず、当該商標を利用して一連の不当な行為を繰り返しました。具体的には、税関に知的財産権保護を申し立て権利者の仕入れ先貨物を差し押さえ、権利者及びその仕入れ先に対し商標権侵害訴訟を提起し、商標の条件付譲渡を再三要求し不当な利益を図るなどの行為が挙げられます。

加えて、当該悪意的冒認出願商標は権利者の初回異議申立てが不成立後に登録が確定され、登録経過年数が 5 年を超え、通常の無効審判による救済経路は厳しく制限されていました。権利者は当初、他の法律事務所に業務を委託しましたが実質的な進展が見られず、関連訴訟手続きの開始後、铸成弁護士チームに委任を切り替え、以降の権利救済業務を委託されました。

案件難点

本件権利救済における課題は主に以下の 3 点が挙げられます。

先行権利がなく、時間的な制約が極めて厳しい:権利者は中国の当該区分において先行登録商標を一切有さず、係争商標の登録も 5 年を超えています。また、権利者による係争商標出願日前の使用実績だけでは、当該商標が馳名商標に該当することを立証するには不十分でした。そのため、伝統的な商標権又は馳名商標保護規定に基づく主張が困難となり、「その他の不正な手段により登録を取得した場合」の規定の適用に賭けるほかなく、立証のハードルが極めて高い状況でした。

行政段階での権利救済が阻害された:国家知的財産局は行政段階の裁定において、権利者が提出した証拠では冒認出願者が不正な手段で登録を取得した事実を立証できないと判断し、係争商標の登録を維持しました。これにより、その後の権利救済は一層困難を極めることとなりました。

悪意の立証ハードルが高い:係争商標の出願日が 2009 年と古いため、冒認出願者の主観的悪意を裏付ける証拠の収集が大きな課題となりました。

さらに複雑な状況として、冒認出願者は自身が登録した複数の商標は海外クライアントからの許諾に基づくものであると弁解し、国家知的財産局も他案件において同社の一部商標について適法な許諾による登録と認めた経緯がありました。この背景により、他案件の影響を排除し本件において独自に悪意を認定する難易度が一層高まっていました。

铸成弁護士チームは受任後、案件資料を全面的に整理し、本件の核心的突破口を明確にしました。2001 年商標法第 41 条第 1 項「その他の不正な手段により登録を取得したもの」の規定を軸に、悪意を裏付ける証拠の整理を重点的に推進しました。冒認出願者の多様な悪意行為に対応する証拠を体系的に収集・確定し、「悪意態様+対応証拠」の完全な立証体系を構築しました。
訴訟手続きにおいては裁判官に事実関係を明確に整理し、証拠資料を補充・提出し、悪意の主張が堅固な証拠に支えられ漏れのない内容となるよう整備し、裁判審理のための証拠及び事実の基礎を固めました。その結果、権利救済の各難点を段階的に突破し、他案件による干渉要因を排除しました。一審裁判所は係争対象裁定を取り消す判断を下し、二審裁判所も一審判決を維持しました。

案件結果と示唆

本件は商標無効審判・行政訴訟一審・二審の三つの核心段階を経ており、最大の転換点は、権利者が当初他の法律事務所に行政手続きを委託したものの進展が滞り、訴訟手続き開始後に代理チームを铸成に変更した点にあります。

铸成チームは受任後、案件の難点を的確に整理し証拠体系を補充・完備させ、全面勝訴へと導きました。

一審裁判所は国家知的財産局の係争対象裁定を取消し、同局に対し無効審判を再審理するよう命じました。国家知的財産局は不服として上訴しましたが、二審裁判所は上訴を却下し原判決を維持し、冒認出願者の商標登録行為が「その他の不正な手段による登録取得」に該当することが確認されました。

最終的に铸成弁護士チームは権利者を逆境から逆転勝訴へ導き、登録 10 年超の悪意的冒認出願商標の取消を実現しました。これにより権利者は中国市場における商標上の障害を払拭し、正常な商業活動を回復することができました。

本件は悪意的商標冒認出願の典型的な権利救済案例であり、「登録 5 年超過・行政段階で敗訴・クライアントに先行商標権がない」という厳しい状況における実務的参考価値が極めて高いです。
証拠が最重要:相手の主観的悪意を裏付ける核心証拠を徹底的に掘り起こし、商標戦略・実際の行為と紐付けて完全な証拠連鎖を構築し、相手の弁解を有効に崩すこと。

法令を的確に適用し時間・権利の制限を突破:先行商標権や馳名商標保護による主張が困難な場合、「その他の不正な手段による登録取得」の法定要件に焦点を当て、相手の大量冒認出願・不当利益追求行為を根拠に救済を突破すること。

最後まで権利を守り、手続き上の困難に直面:行政裁定が不利な場合でも、事実関係を的確に整理し法理論証を強化し、訴訟手続きにおいてクライアントの権益を全力で守り抜き、救済目標を達成すること。

本件勝訴は、権利者のコアブランド権益を守り挽回しただけでなく、铸成弁護士チームの商標行政訴訟・悪意冒認出願商標救済分野における専門性と実務対応力を改めて証明したものです。今後も国内外企業が同種の商標権紛争に直面する際、効率的かつ実行可能な法的ソリューションを提供してまいります。

付同傑
パートナー | 弁護士
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