電子商務プラットフォームへの商品掲載、モーメンツによるプロモーションは、商標三年不使用取消(三年不使用取消)の抗弁となり得るか

CHANG TSI
Insights

しちがつ21
2026

商標三年不使用取消制度(以下「三年不使用取消」)の論理は複雑ではない。登録したまま使用しない商標は市場へリリースすべきだからである。しかし、「使用」が何を意味するかについては、電子商務時代になり論争がますます生じている。

企業の主要な営業活動がオンラインに移行するにつれ、現実的な課題が浮き彫りになった。電子商務プラットフォームに商品を掲載する、SNS でブランドを宣伝する行為は、商標法上の「使用」に該当するのか。裁判実務が示す答えは、多くの権利者が予想するよりも厳格なものとなっている。

一、「商標使用」を判断する基本的枠組み

電子商務における使用を議論する前に、裁判実務における「商標使用」の基本判断基準を整理する必要がある。

『商標法』第 49 条第 2 項により、登録商標が正当な理由なく連続 3 年間使用されない場合の取消制度(三年不使用取消)が定められている。その立法趣旨は、商標資源を活性化させ、遊休商標を整理し、「登録したまま使用しない」状態が商標秩序を毀損することを防止することにある。
『商標法』第 48 条により、商標の使用とは、登録商標を商業活動に使用し、商品または役務の出所を識別させる行為を指す。実務上は「公開的、真実かつ適法な商業使用」という総合的認定基準が形成さ

ており、核心的要素は大きく 3 つに分かれる。

1. 真実性:使用行為が客観的に発生している必要があり、三年不使用取消への対応のために臨時的に作成されたものは認められない。裁判所は取引金額と業界慣行の整合性、契約当事者の合理的な商業的関連性などの要素を総合的に考慮し、使用行為の真実性を実質的に審査する。

2. 公開性:商標が不特定多数の公衆を対象とした商業活動の中で使用されている必要がある。内部的な流通、閉鎖的なコミュニティ内での拡散は、通常この要件を満たさない。

3. 期間対応性:証拠が、三年不使用取消申請日から遡った 3 年間の指定期間内に使用行為が発生したことを立証できる必要がある。発生時間を確認できない証拠は、採用されにくい。
以上 3 つの次元が、電子商務上の使用行為を評価する基本的な軸となる。

二、電子商務プラットフォームへの商品掲載:形式的使用に伴う典型的な課題

直感的な類推として、実店舗に商品を陳列することが使用に該当するのであれば、電子商務プラットフォームへの掲載も同様に扱われるはずだと考える向きがある。この類推には論理的な合理性があるものの、決定的な相違点を見落としている —— コスト構造の根本的な差異である。

実店舗での陳列には通常、家賃、倉庫保管費、人件費といったコストが伴い、客観的に真実な営業意図を裏付け、経営者の真の商業的目的を裏付けられる。一方、電子商務プラットフォームへの掲載の限界的コストはほぼゼロであり、いかなる主体も極めて低い代償で「掲載」という行為を完了させることができ、真の取引意図を伴わない場合も多い。この低コスト性こそ、掲載行為が三年不使用取消回避の手段として濫用されやすい要因となっている。

裁判実務はこの点について明確に消極的な立場を採っている。(2023)京行終 7271 号案件において、北京市高等人民法院はウェブページのスクリーンショット証拠について「すべて一方的に作成された証拠であり、有効な作成時間を立証できず、証明力が不十分のため採用しない」と認定し、取消決定を維持した。この判決は、電子商務掲載に係る証拠に内在する 2 つの欠陥を示している。一つは一方作成の証拠であり反証が困難な点、もう一つは時間属性が不確定で指定期間との対応関係を立証できない点である。

別の案件では、使用許諾を受けた事業者が拼多多プラットフォームに実際の販売記録や消費者のアフターサービス評価を残していたことから、国家知識産権局は有効な使用に該当すると認定した。2 つの案件を対比すると論理は明らかである。電子商務プラットフォーム上の使用が認められる核心は、「掲載」という形式的な行為そのものではなく、その背後に真実な取引記録が存在することにある。

三、SNS によるプロモーション:広告掲載と商標使用の境界線

掲載の問題が比較的分かりやすいのに対し、SNS プロモーションをめぐる論争はより複雑であり、根本的な法律問題に触れる —— 広告宣伝は商標使用と同等なのか、という点である。

『商標法』において「広告宣伝、展示その他の商業活動に使用する」行為が商標の使用に含まれると定められており、SNS のプロモーション記載が商標使用に該当する文面的根拠となっている。しかし裁判実務はこれを一律に採用するのではなく、プラットフォームの性質と記載内容の特徴に応じて段階的に判断している。

Wechatモーメンツは最も否定的に扱われるプラットフォームの一つである。「遊転地球」案件((2020)京 73 行初 10471 号判決参照)において裁判所は、モーメンツには閉鎖性があり、伝播範囲が特定の社交関係圏に限られ、いいねやコメントの数が 1 桁にとどまることが多く、商標使用に求められる「不特定多数に対する公開性」基準を満たさないと指摘した。モーメンツは本質的に半私密的な空間であり、受け手が必然的に限定されるため、市場における出所識別効果を生み出しにくい。

Wechatのスクリーンショットが一律に無効となるわけではないが、その証明力は他の客観的証拠との組み合わせに依存する。一般的に、国家知識産権局と裁判所はWechatスクリーンショット、その他の販売契約・請求書などの証拠を総合的に考慮し、完全な証拠連鎖が形成されているかを判断する。このことから、Wechatスクリーンショットは「補助証拠」としての位置づけであり、単独で使用事実を立証することはできないことが分かる。

Wechat公式アカウント、小紅書など公開属性を持つプラットフォームは、公開性の次元でモーメンツより優位であり、実務上関連するプロモーション記載が補助証拠として採用された事例も存在する。ただし実際の取引記録が伴わない単なる記載・宣伝だけでは、否定されるリスクが残る。

以上の裁判基準の背後には一貫した判断論理が存在する。商標使用の核心は、商標が市場において真に出所識別機能を発揮することであり、この機能が実現されるためには通常、商品または役務の実際の流通が前提となる。取引に裏付けられていないブランドの掲載は、単に商標を「見せる」に過ぎず、商標が「市場で流通する」状態とは異なる。この両者の隔たりこそ、広告宣伝と商標使用の境界線である。

四、象徴的使用の本質

冒頭の問いに立ち返る。掲載したが販売実績がない、宣伝したが取引が伴わない状況は、三年不使用取消手続きにおいて何を意味するのか。

司法実務の態度はすでに明確である。単に登録の効力を維持することのみを目的とした使用行為は象徴的使用に該当し、有効な使用とは認められない。象徴的使用に該当するかの判断の核心は、使用行為に真実な商業的意図が存在するかどうかであり、単に「商標を公開掲載する」という外形のみを満たすだけでは足りない。

電子商務時代は、使用の偽装を作成するコストを大幅に低下させたため、象徴的使用の識別難易度も高まっている。限界コストの低い商品掲載、閉鎖的コミュニティでの宣伝は、実務上象徴的使用の偽装を作成する頻出の手段となっている。現在の裁判実務が消極的な立場を採るのには、遊休商標を整理し市場秩序を維持するという制度的論理が存在する。

ただし、この消極的な立場については適度な検討の余地もある。電子証拠全体を「一方作成証拠」を理由に証明力を低下させる扱いは、やや粗雑と言わざるを得ない。電子商務チャネルを中心に営業する中小企業にとって、商業活動そのものがデジタル形式で存在するため、従来の紙媒体証拠の基準で有効な使用の認定を画一的に判断することは公平性に欠ける可能性がある。三年不使用取消制度の核心的価値を堅持しつつ、デジタルな使用場面に対してより細かい類型的対応を定めることは、今後整備が待たれる課題である。

まとめ

電子商務環境における商標使用の問題は、伝統的な商標法理論がデジタル経済時代に直面する適応上の課題を反映している。現行の裁判基準から、権利者が重点的に留意すべき点は以下の 3 点である。

1. 真実な取引記録の有無が、電子商務上の使用が認められるかの核心となる。プラットフォームの掲載スクリーンショットのみで三年不使用取消に抗弁することは勝算がほぼなく、注文データ、物流記録、ユーザー評価こそ証明力の高い証拠となる。

2. SNS のプロモーション記載は補助証拠として活用できるが、単独で使用事実を立証することはできない。公式アカウント、小紅書など公開プラットフォームの宣伝記載にタイムスタンプ公証などを併用することで、使用時間を立証しやすくなる。一方モーメンツは公開性の欠如から、証拠価値がほぼない。

3. 電子証拠の時間属性は能動的に固定する必要がある。ウェブページのスクリーンショットだけでは撮影時間を自証できないため、重要な使用証拠については公証または信頼できるタイムスタンプを取得し、証拠が指定期間と対応していることを確保することが推奨される。

デジタル化された営業はトレンドであるが、商標使用の核心的論理は変わらない —— 真実な商業流通こそ登録商標を維持する根拠である。

 

王杰
コンサルタント | 弁護士
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